インプラント治療の起源は古代?!
右の写真は、P.Iブローネマルク博士です。インプラント治療のパイオニアです。
1952年にスウェーデンのルンド大学医学部で骨を治療する過程で骨髄が果たす役割について研究を行っていました。チタン製の器具をウサギのすねの骨に埋め込み、実験終了後、器具を取ろうとしても骨とくっついてとれなかったことから、チタンと骨が強固に結合をすることを発見しました。
その後、さまざまな検証を行いイヌの顎にチタン製インプラントを埋め込む実験を開始し研究を続けていきました。そしてチタン製インプラントが骨と強固に結合することを確信しオッセオインテグレイション(osseointegration )」と名づけました。その後1965年人間への応用の研究へと発展していきました。最初に治療を受けた人は30歳代の男性でした。その男性のインプラントは30年以上たちますが今も何の問題なく機能しています。 その後、世界中で実験が繰り返されチタンと骨との結合は科学的に正しいと認められるようになり、1998年ブローネマルク教授はチタン製インプラント治療の実績によってスウェーデン政府からグランドプライズ賞を授与されました。
みなさんがすでにご存知のように現在インプラントの素材には主にチタンが使われています。おそらく今後もチタン以上にインプラントに適した素材は出てこないでしょう。それほどインプラント材としてほかに類をみない特質を持っているのです。その発見は、偶然の出来事からでした。発見したのは、スウェーデンのブローネマルク博士です。1952年もともと応用生体工学研究所の所長だったブローネマルク博士はある大学の医学部で骨が治癒する過程において、骨髄がどのような役割を果たすかを研究していました。実験を終えて、ウサギのすねに埋め込んだ生体顕微鏡用のチタン製器具を取り出そうとしたところ、しっかりと骨にくっついてしまい、どうしてもはがすことができませんでした。それまでは他の金属類でそのような経験をしたことがなかったブローネマルク博士は大いにその現象に興味をもちます。その後、血液循環の研究などにおいても、彼は次々とチタンの特質を目の当たりにすることになります。それらの偶然の発見から、「チタンは骨に拒否反応をおこさず、結合する」ことを確信したのです。